~​鯨調査 シーズン2021~

​♦目次♦

 

1.​鯨調査結果

​●観察期間:128日間

​小島・平内・湯泊・中間・栗生

​●観察ポイント:高平・原・尾之間・

​(25.7キロの区間)

​●初鯨到来:2020年12月17日

​(昨年の初鯨到来:2019年12月24日)

​●出現鯨頭数:796頭数

​●最高出現頭数:36頭(1/26)

​●今シーズン発見:

​・平内にて捕食行動。(1/25)

​・屋久島で繁殖している可能性有り。(1/25)

​・屋久島⇔トカラを往復している群れが

​存在する可能性有り。(2/5~3/7)

・3月は流れ藻がやってくるため、

​イルカの発見回数が一番多い月。

​(3/6・10・14・16・21・22・23・25・27)

​・尾之間⇔平内にいるクジラ達が、

​群れとして同時に沖へ向かう行動を

​観測。(3/27・4/6)

​ジャンプ・ペックスラップ・

​テールスラップにより、仲間達へ

​出発を意図する合図を確認。

​・3~4月はクジラ達が主に夕方頃現れて、

​尾之間⇔平内間で一晩を過ごし、

​早朝の朝日と共に沖へ出発する

​パターンを確認。

​(3/9・10・11・23・4/11・24)

​2017年1月15日の満月、

夢に鯨が現れました。

​この事がきっかけとなり、

​クジラ観察がスタートしました。

​詳しくは、

​に。

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​2.月別データからわかること

​※それぞれのグラフ&マップを

​クリックすると拡大されます。

​★2020年12月のデータからわかること

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2020年12月マッピング.jpg

​●出現頭数:8

​●初観測:12/17

​●新月へあわせての来島!?

​●12月は、南へ移動するトップ集団の

​可能性有り。

●チョウゲンボウと​ノスリを

​よく見かける。

​彼らは渡り鳥で、よくクジラが

​どこにいるのかを教えてくれる。

​鯨のいる方向へ、いつも飛んでいく。

​雨の日で、視界が悪い時は

​本当にありがたい。

​●北西の風が強い時、風が当たらない

​平内湾で鯨達を見かける。

​◎12/17:

​水平線にいる2頭を発見。

​大声で呼んだらどんどん近づいてきて、岸から10m程まで来て、

​ジャンプをしてくれた。

​個体識別は出来なかったが、

​去年も出会った個体だと信じている。

​毎年シーズン初観測のクジラは、

​必ず岸の近くまで来てジャンプをする

​(4年連続)。

 
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​★2021年1月のデータからわかること

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2021年1月マッピング①.jpg
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2021年1月マッピング③.jpg

​※26頭マッピングなし

​●出現頭数:290頭

​●下旬から出現頭数が増えている。

​●新月以降、出現頭数が増加していく。

​●満月の大潮時、出現頭数が減る。

​●1/26がシーズン最多の36頭、

20、21、24、26日の

​4日間のみ。

​目撃数が20頭を超えた日は、

​◎1/20:

​いきなり28頭ものクジラ達が、

​平内へやって来た。

​ザトウクジラは、10~100頭もの群れを

​作るらしい。

​◎1/22:

​平内と尾之間に、それぞれ観測者がいて、

​それぞれの場所で休息中らしい

​クジラ達を発見。

​その後、同時にジャンプを目撃。

​そして、一斉に全てのクジラ達が沖へと

​移動。

​この事から、目撃されたそれぞれの

​クジラ達が一つの群れだった

​可能性があり、ジャンプは移動の合図だったと考えられる。

​尾之間(4頭)から平内(3頭)にいる

​群れのような気がした。

​クジラ達が一つの

​◎1/23:

​クジラが何度も尾を突き上げたまま

​出てきた。

​これは、イルカにもよく見られる現象で、

​お昼寝しているらしい。

​◎1/24:

​永田でもクジラが目撃された。

​1月中旬以降、島の至る所にクジラがいる可能性あり。

◎1/25:

​親子が口を開けて岸の近くへ・・・

​バブルネットフィーディング?

​クジラ達は餌を食べずに北⇔南へ移動していると

​言われている。

​捕食行動は北極だけで行われている

​らしい。

​しかし、去年も小島で、

​バブルネットフィーディングを見た。

​漁師さんも去年小島で大きな口を開けた

​クジラが魚を食べていた事を発見。

​最近オーストラリアでも

​初めて捕食行動がドローンで

​撮影された。

​(

​の映像)。

​日本では、まだその様な観察記録は

​ないのですが、屋久島が初めてかも

​しれません。

​◎1/25:

​この時期、2頭のクジラ達が尻尾を合わせて

​潜水する場面をよく見ます。

​繁殖行動なのでは?と推測しています。

​◎1/26:

​1日当たりの出現頭数最高記録の36頭。

​夕方は親子が東、小島へ向かい、

​エスコートと合流した。

 
2021年1月28日平内親子Y7.jpeg

​★2021年2月のグラフからわかること

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​↑2/23~25からクジラ達の北上が始まりました。

​●出現頭数:198頭

​●2/7の出現頭数が月最高の19頭、

​あとは15頭以下。

​●新月の大潮に合わせて、出現頭数減少。

​●満月前後:出現頭数 0

​◎2/4:

​尾びれのIDを識別する事により、

​1~2週間いる個体を発見。

​島で休んでいる様子。

​◎2/8:

​シワハイルカのストランディング。

​(全長257㎝、雄、外傷なし)

​屋久島で初の座礁記録。

​(種子島では座礁記録あり:2017年、

​10頭以上のシワハイルカが座礁、

​中種子町、長浜海岸にて)

​◎2/11:

​テールスラップを教えている親子を観測!?

​1頭のクジラがテールスラップ

​その横で雄っぽいクジラが

​真ん中に、小さな赤ちゃんが

​その後、3頭が同時にテールスラップ。

​テールスラップ。

​テールスラップ。

​両親が、赤ちゃんにテールスラップの

​やり方を教えている様だった。

​◎2/16:

​平内湾でクジラが休んでいて、1時間後、

​岸の近くでブリーチをした。

​数日後にわかった事だが、サメの

​背びれが動画に映っていた。

​サメを追い払っていたのか?

​◎2/19:

​1頭のクジラが、サメをテールで叩いて、

​そのサメが跳ね上げられていた。

​◎2/19・2/21:

​尾びれのIDが同じ個体を1頭観測。

​目視で確認。

◎2/22:

​お母さんクジラが、

​赤ちゃんにブリーチを教えていた。

​◎2/23:

​小島→平内→湯泊まで移動する間、

​クジラ4頭がお互いに何度もジャンプしていた。

​ヒートランなのか!?

​ヒートランとは、雌のクジラを雄のクジラが追いかけること。

​1頭の雌に20頭もの雄が群がることもあるらしい。

​●2/5~3/7:トカラ⇔屋久島間の観測

​2/5:トカラ方面から10頭の鯨が向かってきた。

​5頭が東へ、他の5頭は西へ向かった。

​この時期、トカラ方面からやってくる大きな群れを観測するようになった。

​夕方頃が多く・・・

​もしかすると同じ群れの可能性大!?

​2/9:クジラ達が合流してトカラ方面へと向かった。

​親子とカップルクジラが、トカラ方面からやって来て、

​再び帰っていった。

​2/21:トカラ方面から来た3頭の群れを観測。

​2/25:トカラ方面から来た10頭の群れを観測。

​3/1:この時期、トカラ方面からやってきた群れは

​旭牧場(西へ)に

​向かうことが多い。

​沖縄方面へ行かずに、トカラ⇔屋久島間を

​行ったり

​来たりしている個体がいるのか?

 
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★2021年3月のグラフからわかること

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​●出現頭数:197頭

​※5頭マッピングなし

​●3/8が月最高の16頭、あとは15頭以下。

​●新月、満月へ向けて出現頭数が

​減っている!?

​●満月前後は、出現頭数 0

​◎3/5:

​この日から、流れ藻を頻繁に

​見るようになり、イルカを毎日の様に

​観測。

​◎3/9:

​8日の夕方にやってきたクジラの群れが

​尾之間にて一泊。

​次の日の朝は沖へと向かう。

​夕方遅くにきたクジラが島に滞在し、

​次の日の朝、日の出と共に沖へ向かう傾向がある。

同じ様な行動が、3/10・11・23・4/11・24にも

​見られた。

​丁度この時期、黒潮が湯泊付近を蛇行している。

​(黒潮予報による)

​◎3/16:

​3頭のクジラを観測。

​1頭は、ボートへ近寄り、他の2頭(親子)は、

​ゆっくりと東へ移動。

​この1頭のクジラは、親子が安心して移動出来る様、

​ボートの

​気を引こうとしている様にも見えた。

​◎3/19:

​この時期から渡り鳥のサシバが、南からやって来るのを観測。

​クジラを探していると、彼らが海上を

​南から北へ向かう光景が頻繁に見られる。

​(3/20・4/5にもサシバの群れを観測)

​毎日数羽は観測していたが、

​3/29には129羽ものサシバの北上を観測。

​◎3/22:

​オオミズナギドリの群れ約3000羽を湯泊から小島で目撃。

​イルカも多数目撃。

​朝と夕方、ゴンドウクジラを多くの場所で目撃。

​◎3/24:

​一湊灯台で、クジラ1頭がテールスラップを

​行っていたとの

​目撃情報。

​◎3/27:

​潜水時間32分のクジラに出会う。

​この個体は、ブリーチ、

​テールスラップをしてから出発。

​群れへ向けて「出発するよ!」の合図!?

​これまでの観測から、ブリーチを合図に

​沖へ向かう群れが多い。

​4/6の4頭もブリーチをしてから

​一斉に沖へ向かった。

​4/7、尾之間湾にて休んでいた1頭が、

​ブリーチをしてからの出発だった。

​●3/27・4/1~2、クジラが夢に現れる。

​その日は、彼らが岸近くへとやって来る・・・

​テレパシー!?

 
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​★2021年4月のグラフからわかること

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​●出現頭数:103頭

​※2頭マッピングなし

​●月最高は、6日の15頭。

​あとは、9頭以下。

​●月末に向けて出現頭数が

​減ってきている。

​●毎月、新月&満月の出現頭数は、

​比較的少ない→大潮等、潮のリズムに

​関連性あり!?

​◎4/6:

​平内から西部林道(立神岩)

​沖までの間で、6頭の群れを観測。

​◎4/14:

​2頭(カップル!?)が潜水25分間を記録。

​この2頭は、船が来たら、

​潜水が10分間に。

​◎4/14:

​北上していくクジラ達は、南種子島から

​太平洋へと向かっていく!?

 
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​3.シーズン別月別出現頭数比較グラフからわかること
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​●年々出現頭数が増えている理由として、

​観察日数の増加、1日あたりの

観察時間の増加(12hr以上/day)、

​観察距離の延長

​(原⇔中間→高平⇔栗生)が

​考えられます。

​●12月出現頭数の比較:'20→8頭、

​'19→5頭、'18→32頭。

​'18は、もしかするといくつかの群れが存在したと考えられる。

​●奄美においては、前シーズンの

​979頭に比べて、今シーズンは、

​1087頭と多く目撃されている。

​●毎年、1月中旬~目撃頭数が

​増えてくる。

​●過去の2シーズンにおいては、

​2月が最も出現頭数が多かったが

​今シーズンは、1月の出現頭数が最も多い。

​●過去の2シーズンにおいては、

​3月の出現頭数が半分以下に減るのに対し、

​今シーズンは、

2~3月共に約200頭もの出現頭数を

​記録している。

​●4月には、103頭も目撃されたため、

​もしかすると5月にも北へ向かうかなりの個体を目撃できたかも

​しれません。

​(5月初旬、友人が尾之間にて潮吹きを観測。

​沖縄座間味では、

​まで目撃情報があります。)

 
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4.鯨の進行方向に関する分析

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​●12~2/22までは、南や西へ向かう

​個体・群れが東へ向かう個体・群れの数を上回っていたのですが、

​2/23~東へ向かう個体・群れの数が上回り始めました。

​この事から、個体・群れが北上を

​始めたと考えられる。

​★イルカ・ゴンドウクジラ・スジイルカ

​・ハセイルカ・マイルカ等を目撃した日:

​12/14・15・27・31

​1/1・5・12・17・26

​2/1・3・8・10

​3/6・10・14・15・16・21・22・23・25・27

​4/9

​イルカは3月が一番多い、岸の近くで見ることができる。

​2回ほど、100頭以上の

​ゴンドウイルカの群れを目撃。

​流れ藻の周囲にいる小魚を食べているのだろう。

​この流れ藻との関連性は、2020年にも

​見ることができた。

​クジラとイルカは仲が良い。

​一緒に遊んでいる様子を頻繁に目撃した。

​特に赤ちゃんクジラがいる時、

​イルカの群れはまっさきに赤ちゃんクジラへと向かっていく。

​赤ちゃんクジラは、一緒に泳いだり、

​体をグルグル回転させていることが多い。

 
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​5.今年はなぜ鯨が多いのか?

​奄美でも、例年より多く目撃されています。

​奄美クジラ協会の興さんに聞いてみたところ、

​「来遊頭数の増加、

​ウォッチング船の増加や

​滞留個体の増加も影響しています。」

​とのことでした。

​私は、島の漁師さん、海に携わって

​いる人達に、以前からクジラを

​「そんなぁ、昔からいるわ~~、海だから!!!」

​目撃していたのかを聞いてみました。

​「シャチもみたわ。」

漁師さんの間で、西部林道には、

​よくクジラを見るクジラ岬があるよ…

​クジラはよく見た。」

「磯モンを捕っていたら、

​よくクジラが近くまで来ていたよ。」

​彼らに、毎年クジラが回遊してくることを説明すると、

​これまで、(屋久島で)定期的に

​驚いていました。

​クジラを観察していた記録がないため、

​この様に多くのクジラが観測できる事を

​誰も知らなかったのです。

きっと、大昔からたくさんのクジラ達が

​島を訪れていたことでしょう。

​クジラの音を40年余り研究している

​ロジャー・ペインさんも

​「海を見れば必ずクジラはいる。

​人間は、ほとんど海を見ていない。

​見たとしても短時間だ。」

​と言っています。

​ロジャーは、パタゴニアでセミクジラの観察もしていました。

​当時、漁師さん達の間では、

クジラが

​いる事は、認識されていました。

​観察の結果、(パタゴニアが)

​繁殖の場所という事が明らかになりました。

​最近では、多くの人が自然や地球の大切さを理解できる様に

​なりました。

​そして、地球の大半を占める海を意識することにより、

​様々な事が

​わかってきました。

​一つに、クジラを理解したいという

​気持ちによって、観察する人が増え、

​目撃例も増えてきたと考えられます。

​2021年は、796頭(観察127日間)、

​2020年は448頭(観察106日間)。

​今シーズンは、観察期間が20日間

増えたためか、34​8頭多く目撃されました。

​観察範囲も高平から栗生まで延ばしました。

​観察期間、観察範囲の延長に加え、

観察者の技術の向上も出現頭数の増加へ

​繋がっている様に思います。

​情報に惑わされず、自分が見たり、

​聞いたり、感じたりと・・・

​体験した事が真実へと繋がっていく。

​ただただ観察し続ける事が、

​クジラ達と私達の真実へと

​導いてくれる。

​私自身の信念を、信じ続けたいと

​思っています。

 
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​6.鯨の個体識別

​今シーズンは、約30頭の尾びれのIDが撮影できました。

​沖縄(沖縄美ら島財団総合センター動物研究室)との照合によって

​3個体のマッチが確認できました!

​この事実により、彼らは確実に

​屋久島を経由して、沖縄まで行ったことが

​わかりました。

​ただ、写真は今年のモノと

​過去のモノがマッチしたわけで、

​今シーズン彼らが行き来したかは、

​わかりません。

​掲載されている写真は、

​屋久島で撮影されたモノのみと

​なっております。

4月11日平内親子Y32

​●屋久島2021年4月11日、

​平内での個体Y32

​(=沖縄での識別番号:R-1752)

​平内海中温泉近くの湾に

​入ってきた時に撮影。

​2017年に沖縄の座間味島周辺や

​本部町沖(伊江島周辺)で

​確認している個体でした。

4月11日平内親子Y33

​●屋久島2021年4月11日、

​平内での個体Y33

​(=沖縄での識別番号:R-1823)

​2018年に沖縄の本部町沖

​(伊江島周辺)

​で確認されている個体でした。

4月14日原Y35

​●屋久島2021年4月14日、

​原での個体Y35

​(=沖縄での識別番号:R-1620)

​親子2頭で、ゆっくりと泳いでいたクジラ、平内から原まで観測。

​2016年に沖縄(本部町沖)で確認されている個体でした。

​この発見は、私達の今後の励みとなりました。

​これからの調査を継続する事により

​様々な事が明らかになっていくと思います。

​屋久島のクジラのIDは、

​に掲載しています。

 
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​7.海の騒音について

​「クジラに会いたい!写真を撮りたい!一緒に泳ぎたい!」

​と、考える人間が多くなり、

​ボートでクジラを追いかけているのを

​岸から見かけるようになりました。

​その結果クジラ達はボートから

​遠ざかろうとしています。

​もちろん気にしない個体もいますが、

​多くの個体は方向転換をして岸から遠ざかっていきます。

​一番心が痛んだのは、クジラの親子を

​観測したときの事でした。

​クジラの赤ちゃんは5~10分に一度しか

​呼吸ができないため、よく水面に

​出てきます。

​あるボートが、それを知らずに追いかけて

​いるのを見て涙がでてきました。

​人間に例えると、親子が得体の知れない車に、ずっと追いかけられている

​様なことです。

​地球上でもっとも大きな哺乳類に

​会うことの出来る屋久島の海。

​その様な機会に恵まれ、近くで

​写真を撮りたい、一緒に泳ぎたい、

​クジラに会いたい、という気持ちも

​理解できます。

​私自身、初めて彼らと出会った時、

​すぐにボートを手に入れたいと思いました。

​ですが、この四年間の船との関係性をみて、岸からの観測にこだわって

​いきたいと強く思いました。

​それは、彼らの立場を理解する事により

​気づいたことです。

​海に住む彼らにとって、船による騒音が

​かなりのストレスであり、負担となって

​いることを知りました。

​●ドキュメンタリー映画

​の中では、現代の海の騒音公害について、

​語られています。

​ミッシェル・アンドレ生物音響学者によると、

​「クジラ、イルカたちの交信チャンネル

​に悪影響を及ぼすのは、人間が発する騒音、

​彼らの情報交換を防ぐことは、

​死を宣告するのと同じです。

​過去50年間、ほとんどの海の騒音レベルは

​10年ごとに倍増しています。

​海運業や商業漁業、化石燃料の調査で

​劇的に増大しています。

​主に船舶です。

​哺乳類を殺すだけではありません。

​10年前に衝撃的な発見をしました。

​クジラやイルカの大型哺乳類だけが

​騒音の影響を受けてきたわけではなかったのです。

​本当に驚きで信じられませんでした。」

​●某アメリカのTV番組によると、

​近年のクジラやイルカ達の歌声が、

​昔と比べると高音域になってきている

​とのことです。

​その研究者がいうには船舶の騒音が

​原因だと。

​1950年にハワイ沖にいた米軍が、

​あるノイズを発見しました。

​最初、それが何の音かわからなかった

​そうです。

​それから20年後の1971年、

​ザトウクジラの歌声だったと判明しました。

​当時の彼らの歌声と今のとでは、

​かなり違うといわれています。

​現代では、船舶がさらに増え、

​騒音も増加したため、クジラ達の声が

​高くなっていることがわかったのです。

​●『メリーランド大学の海洋生物学者である

Helen Bailey氏と彼女の研究チームは、

​米国メリーランド州の沖で

バンドウクジラ(Tusiops truncatus)

​の鳴き声を記録し、

​その成果が、10月24日発行の

Biology Letterrsに掲載された。

​彼女らは、鳴き声の特徴を分析し、

​その変化を記録した。

​彼女らは、大概船やボートが通過して、

​周辺音響が大きくなった時に、イルカの

​鳴き声の周波数が高く、

​そして短くなることを発見した。

Bailey​氏は、「それは、ちょうど

​騒がしいバーにいて、相手の話が聞こえなくて何度か

​聞き返したあと、

​自分からできるだけ簡潔に返答しようと

するのと似ている。」と述べている。

​「イルカは、船が出す騒音の音響に

対応​するため、鳴き声を短くしている

のだ。」と。』

​詳しいことは、こちらに書かれています。

​これらの発見も、私達YWCが、岸からの

​観察にこだわる理由となっています。

​●カナダでは、

​というアプローチでクジラを観察

​”スロー・ホエールウォッチング”

​しています。

​『船を全速力で走らせてクジラを

​見せるのではなく、最速でも常に

​10ノット(時速18㎞)ほどの

​速度に落としてツアーを

​行うことにしたのです。

​彼らは最初のシーズンに200回の

​スロー・ホエールウォッチングを

​実施しました。

​その結果、こういった試みが、

​二酸化炭素の排出量を減らすだけでなく

​計1万5000ドル(当時約170万円)もの

​経費削減へとつながることもわかりました。

​彼らの実施する

​スロー・ホエールウォッチングでは、

​クジラに強引に接近するようなことは

​せず、

​クジラがボートに近づいてくるのを

​待ちます。』

(Erich Hoyt(​エリック・ホイト)

​沖縄ザトウクジラ会議2018年)

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​海の騒音公害を理解し、それでもボート

​からのクジラ観察を行いたい方々へ

​お願いがあります。

​彼らを理解し、彼らの気持ちに寄り添い

​ながら接してあげて下さい。

​「もし、クジラだったら・・・」と、

​彼らの立場に立って考えて下さい。

​彼らの会話を妨害したり、

​不快感を与えたりと、生活環境を

​脅かさないであげて下さい。

​彼らが存在する海は、地球の自然が

​豊かな証なのです。

​宜しくお願い致します。

​そこで、屋久島の海において、

​船によるホエールウォッチングを

​行う方々のために、

​ある提案をさせて頂こうと思います。

​1.船のスピードは10ノット

​(時速18㎞)

2.船はクジラの300メートル手前からは

​減速をはじめ、彼らとの距離を100メートルは

​保つ様にする。

​クジラとの距離が、100メートル

​になった時点で、エンジンを停止、

​観察を始める。

​(100メートル=大型バス10台分)

​3.子供を連れているクジラに気付いた

​場合は彼らを追いかけない。

​(子供は、5~10分しか呼吸が出来ず

​泳ぐのが大変です。

​お母さんクジラは、子育てで

​疲れているため、余計なストレスを

​与えない。)

​4.クジラの進行方向をちゃんと認識

​して、進路を妨げない。

​5.船に接近するクジラに気付いた場合

​は、エンジンを停止する。

​6.スロー・ホエールウォッチングのオススメ。

​強引に接近するのではなく、

​クジラがボートに近づくのを

​待つ。

​彼らのペースに合わせて、行動する。

​海には、クジラ達以外にも多くの

​生物が住んでいます。

​どうぞよろしくお願い致します。

​クジラ達は、冬から春にかけて、

​屋久島へとやってきます。

​彼らの目的は、繫殖・子育て・休憩だと

​考えられます。

​人間が、彼らの生活環境に負担を

​与えない様、共存できる方法を

​探していきたいと思っています。

​こちらの記事は、クジラや他の動物達の

​知性について書かれたものです。

​とても興味深いので、読んでみて下さい。

​彼らが人間同様に知的な生命体

​であることを理解するでしょう。

 
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​8.BEST MOVIE

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​この日、数えられないほどの群れが

​平内へやってきた。

​平内には、26頭がいて、中間方面から

​2頭が来て合流。

​その潮吹きの声は今でも忘れられない。

​45分かけて尾之間方面へと

​向かった。

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​早朝、朝陽に照らされた2頭。

​こちらへと向かってきた。

2021年2月15日魚待シングルY13

​北西の風が強く・・・1頭の鯨が

​岸の近くで休んでいた。

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​夕方、トカラ方面からやってきた親子。

​2頭でジャンプを見せてくれた。

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​平内にて、ヒートラン!?

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​尾之間にてジャンプ&ヘッドスラップ。

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​小島にてペックスラップ、そして出発!

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​2頭尾之間のクジラ。

​このクジラが、実は沖縄でも

数年前​、目撃されていた。

​彼らは、平内から原まで、

​お昼から夕方まで一緒にいた。

 
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​9.2022年に向けて

​来シーズンも精力的にクジラ達を

​観察する予定です。

​私達の観察方法は、

​岸からの目視(双眼鏡)、カメラ、

​ドローンによる撮影、

​そしてカヤックによる観測

​(歌声の録音)。

​これらの観察方法により、彼らの

​リラックスした自然な状態

​(出産・子育て・繫殖・捕食行動など)

​に

​接することができます。

​海は地球上の全生命体にとって、

​命の源です。

​クジラを観察することによって、

​海の事が理解できます。

​彼らとの共存方法を探ることが、

​私達の明るい未来へのヒントになるでしょう。

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​10.研究所からのお願い

​継続的な研究を続けるために寄付を

​募っています。

​詳しくは、寄付のページをご覧下さい。

​どうぞよろしくお願い致します。

​いつまでも、クジラ達が平和に暮らせる

​美しい海を保つことができます様に。

​すべてに感謝★

​ありがとうございます。

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