~鯨調査 シーズン2021~
♦目次♦
1.鯨調査結果
●観察期間:128日間
小島・平内・湯泊・中間・栗生
●観察ポイント:高平・原・尾之間・
(25.7キロの区間)
●初鯨到来:2020年12月17日
(昨年の初鯨到来:2019年12月24日)
●出現鯨頭数:796頭数
●最高出現頭数:36頭(1/26)
●今シーズン発見:
・平内にて捕食行動。(1/25)
・屋久島で繁殖している可能性有り。(1/25)
・屋久島⇔トカラを往復している群れが
存在する可能性有り。(2/5~3/7)
・3月は流れ藻がやってくるため、
イルカの発見回数が一番多い月。
(3/6・10・14・16・21・22・23・25・27)
・尾之間⇔平内にいるクジラ達が、
群れとして同時に沖へ向かう行動を
観測。(3/27・4/6)
ジャンプ・ペックスラップ・
テールスラップにより、仲間達へ
出発を意図する合図を確認。
・3~4月はクジラ達が主に夕方頃現れて、
尾之間⇔平内間で一晩を過ごし、
早朝の朝日と共に沖へ出発する
パターンを確認。
(3/9・10・11・23・4/11・24)
2017年1月15日の満月、
夢に鯨が現れました。
この事がきっかけとなり、
クジラ観察がスタートしました。
詳しくは、
に。

2.月別データからわかること
※それぞれのグラフ&マップを
クリックすると拡大されます。
★2020年12月のデータからわかること


●出現頭数:8
●初観測:12/17
●新月へあわせての来島!?
●12月は、南へ移動するトップ集団の
可能性有り。
●チョウゲンボウとノスリを
よく見かける。
彼らは渡り鳥で、よくクジラが
どこにいるのかを教えてくれる。
鯨のいる方向へ、いつも飛んでいく。
雨の日で、視界が悪い時は
本当にありがたい。
●北西の風が強い時、風が当たらない
平内湾で鯨達を見かける。
◎12/17:
水平線にいる2頭を発見。
大声で呼んだらどんどん近づいてきて、岸から10m程まで来て、
ジャンプをしてくれた。
個体識別は出来なかったが、
去年も出会った個体だと信じている。
毎年シーズン初観測のクジラは、
必ず岸の近くまで来てジャンプをする
(4年連続)。

★2021年1月のデータからわかること




※26頭マッピングなし
●出現頭数:290頭
●下旬から出現頭数が増えている。
●新月以降、出現頭数が増加していく。
●満月の大潮時、出現頭数が減る。
●1/26がシーズン最多の36頭、
20、21、24、26日の
4日間のみ。
目撃数が20頭を超えた日は、
◎1/20:
いきなり28頭ものクジラ達が、
平内へやって来た。
ザトウクジラは、10~100頭もの群れを
作るらしい。
◎1/22:
平内と尾之間に、それぞれ観測者がいて、
それぞれの場所で休息中らしい
クジラ達を発見。
その後、同時にジャンプを目撃。
そして、一斉に全てのクジラ達が沖へと
移動。
この事から、目撃されたそれぞれの
クジラ達が一つの群れだった
可能性があり、ジャンプは移動の合図だったと考えられる。
尾之間(4頭)から平内(3頭)にいる
群れのような気がした。
クジラ達が一つの
◎1/23:
クジラが何度も尾を突き上げたまま
出てきた。
これは、イルカにもよく見られる現象で、
お昼寝しているらしい。
◎1/24:
永田でもクジラが目撃された。
1月中旬以降、島の至る所にクジラがいる可能性あり。
◎1/25:
親子が口を開けて岸の近くへ・・・
バブルネットフィーディング?
クジラ達は餌を食べずに北⇔南へ移動していると
言われている。
捕食行動は北極だけで行われている
らしい。
しかし、去年も小島で、
バブルネットフィーディングを見た。
漁師さんも去年小島で大きな口を開けた
クジラが魚を食べていた事を発見。
最近オーストラリアでも
初めて捕食行動がドローンで
撮影された。
(
の映像)。
日本では、まだその様な観察記録は
ないのですが、屋久島が初めてかも
しれません。
◎1/25:
この時期、2頭のクジラ達が尻尾を合わせて
潜水する場面をよく見ます。
繁殖行動なのでは?と推測しています。
◎1/26:
1日当たりの出現頭数最高記録の36頭。
夕方は親子が東、小島へ向かい、
エスコートと合流した。

★2021年2月のグラフからわかること





↑2/23~25からクジラ達の北上が始まりました。
●出現頭数:198頭
●2/7の出現頭数が月最高の19頭、
あとは15頭以下。
●新月の大潮に合わせて、出現頭数減少。
●満月前後:出現頭数 0
◎2/4:
尾びれのIDを識別する事により、
1~2週間いる個体を発見。
島で休んでいる様子。
◎2/8:
シワハイルカのストランディング。
(全長257㎝、雄、外傷なし)
屋久島で初の座礁記録。
(種子島では座礁記録あり:2017年、
10頭以上のシワハイルカが座礁、
中種子町、長浜海岸にて)
◎2/11:
テールスラップを教えている親子を観測!?
1頭のクジラがテールスラップ
その横で雄っぽいクジラが
真ん中に、小さな赤ちゃんが
その後、3頭が同時にテールスラップ。
テールスラップ。
テールスラップ。
両親が、赤ちゃんにテールスラップの
やり方を教えている様だった。
◎2/16:
平内湾でクジラが休んでいて、1時間後、
岸の近くでブリーチをした。
数日後にわかった事だが、サメの
背びれが動画に映っていた。
サメを追い払っていたのか?
◎2/19:
1頭のクジラが、サメをテールで叩いて、
そのサメが跳ね上げられていた。
◎2/19・2/21:
尾びれのIDが同じ個体を1頭観測。
目視で確認。
◎2/22:
お母さんクジラが、
赤ちゃんにブリーチを教えていた。
◎2/23:
小島→平内→湯泊まで移動する間、
クジラ4頭がお互いに何度もジャンプしていた。
ヒートランなのか!?
ヒートランとは、雌のクジラを雄のクジラが追いかけること。
1頭の雌に20頭もの雄が群がることもあるらしい。
●2/5~3/7:トカラ⇔屋久島間の観測
2/5:トカラ方面から10頭の鯨が向かってきた。
5頭が東へ、他の5頭は西へ向かった。
この時期、トカラ方面からやってくる大きな群れを観測するようになった。
夕方頃が多く・・・
もしかすると同じ群れの可能性大!?
2/9:クジラ達が合流してトカラ方面へと向かった。
親子とカップルクジラが、トカラ方面からやって来て、
再び帰っていった。
2/21:トカラ方面から来た3頭の群れを観測。
2/25:トカラ方面から来た10頭の群れを観測。
3/1:この時期、トカラ方面からやってきた群れは
旭牧場(西へ)に
向かうことが多い。
沖縄方面へ行かずに、トカラ⇔屋久島間を
行ったり
来たりしている個体がいるのか?

★2021年3月のグラフからわかること





●出現頭数:197頭
※5頭マッピングなし
●3/8が月最高の16頭、あとは15頭以下。
●新月、満月へ向けて出現頭数が
減っている!?
●満月前後は、出現頭数 0
◎3/5:
この日から、流れ藻を頻繁に
見るようになり、イルカを毎日の様に
観測。
◎3/9:
8日の夕方にやってきたクジラの群れが
尾之間にて一泊。
次の日の朝は沖へと向かう。
夕方遅くにきたクジラが島に滞在し、
次の日の朝、日の出と共に沖へ向かう傾向がある。
同じ様な行動が、3/10・11・23・4/11・24にも
見られた。
丁度この時期、黒潮が湯泊付近を蛇行している。
(黒潮予報による)
◎3/16:
3頭のクジラを観測。
1頭は、ボートへ近寄り、他の2頭(親子)は、
ゆっくりと東へ移動。
この1頭のクジラは、親子が安心して移動出来る様、
ボートの
気を引こうとしている様にも見えた。
◎3/19:
この時期から渡り鳥のサシバが、南からやって来るのを観測。
クジラを探していると、彼らが海上を
南から北へ向かう光景が頻繁に見られる。
(3/20・4/5にもサシバの群れを観測)
毎日数羽は観測していたが、
3/29には129羽ものサシバの北上を観測。
◎3/22:
オオミズナギドリの群れ約3000羽を湯泊から小島で目撃。
イルカも多数目撃。
朝と夕方、ゴンドウクジラを多くの場所で目撃。
◎3/24:
一湊灯台で、クジラ1頭がテールスラップを
行っていたとの
目撃情報。
◎3/27:
潜水時間32分のクジラに出会う。
この個体は、ブリーチ、
テールスラップをしてから出発。
群れへ向けて「出発するよ!」の合図!?
これまでの観測から、ブリーチを合図に
沖へ向かう群れが多い。
4/6の4頭もブリーチをしてから
一斉に沖へ向かった。
4/7、尾之間湾にて休んでいた1頭が、
ブリーチをしてからの出発だった。
●3/27・4/1~2、クジラが夢に現れる。
その日は、彼らが岸近くへとやって来る・・・
テレパシー!?

★2021年4月のグラフからわかること



●出現頭数:103頭
※2頭マッピングなし
●月最高は、6日の15頭。
あとは、9頭以下。
●月末に向けて出現頭数が
減ってきている。
●毎月、新月&満月の出現頭数は、
比較的少ない→大潮等、潮のリズムに
関連性あり!?
◎4/6:
平内から西部林道(立神岩)
沖までの間で、6頭の群れを観測。
◎4/14:
2頭(カップル!?)が潜水25分間を記録。
この2頭は、船が来たら、
潜水が10分間に。
◎4/14:
北上していくクジラ達は、南種子島から
太平洋へと向かっていく!?

3.シーズン別月別出現頭数比較グラフからわかること

●年々出現頭数が増えている理由として、
観察日数の増加、1日あたりの
観察時間の増加(12hr以上/day)、
観察距離の延長
(原⇔中間→高平⇔栗生)が
考えられます。
●12月出現頭数の比較:'20→8頭、
'19→5頭、'18→32頭。
'18は、もしかするといくつかの群れが存在したと考えられる。
●奄美においては、前シーズンの
979頭に比べて、今シーズンは、
1087頭と多く目撃されている。
●毎年、1月中旬~目撃頭数が
増えてくる。
●過去の2シーズンにおいては、
2月が最も出現頭数が多かったが
今シーズンは、1月の出現頭数が最も多い。
●過去の2シーズンにおいては、
3月の出現頭数が半分以下に減るのに対し、
今シーズンは、
2~3月共に約200頭もの出現頭数を
記録している。
●4月には、103頭も目撃されたため、
もしかすると5月にも北へ向かうかなりの個体を目撃できたかも
しれません。
(5月初旬、友人が尾之間にて潮吹きを観測。
沖縄座間味では、
まで目撃情報があります。)

4.鯨の進行方向に関する分析

●12~2/22までは、南や西へ向かう
個体・群れが東へ向かう個体・群れの数を上回っていたのですが、
2/23~東へ向かう個体・群れの数が上回り始めました。
この事から、個体・群れが北上を
始めたと考えられる。
★イルカ・ゴンドウクジラ・スジイルカ
・ハセイルカ・マイルカ等を目撃した日:
12/14・15・27・31
1/1・5・12・17・26
2/1・3・8・10
3/6・10・14・15・16・21・22・23・25・27
4/9
イルカは3月が一番多い、岸の近くで見ることができる。
2回ほど、100頭以上の
ゴンドウイルカの群れを目撃。
流れ藻の周囲にいる小魚を食べているのだろう。
この流れ藻との関連性は、2020年にも
見ることができた。
クジラとイルカは仲が良い。
一緒に遊んでいる様子を頻繁に目撃した。
特に赤ちゃんクジラがいる時、
イルカの群れはまっさきに赤ちゃんクジラへと向かっていく。
赤ちゃんクジラは、一緒に泳いだり、
体をグルグル回転させていることが多い。

5.今年はなぜ鯨が多いのか?
奄美でも、例年より多く目撃されています。
奄美クジラ協会の興さんに聞いてみたところ、
「来遊頭数の増加、
ウォッチング船の増加や
滞留個体の増加も影響しています。」
とのことでした。
私は、島の漁師さん、海に携わって
いる人達に、以前からクジラを
「そんなぁ、昔からいるわ~~、海だから!!!」
目撃していたのかを聞いてみました。
「シャチもみたわ。」
「漁師さんの間で、西部林道には、
よくクジラを見るクジラ岬があるよ…
クジラはよく見た。」
「磯モンを捕っていたら、
よくクジラが近くまで来ていたよ。」
彼らに、毎年クジラが回遊してくることを説明すると、
これまで、(屋久島で)定期的に
驚いていました。
クジラを観察していた記録がないため、
この様に多くのクジラが観測できる事を
誰も知らなかったのです。
きっと、大昔からたくさんのクジラ達が
島を訪れていたことでしょう。
クジラの音を40年余り研究している
ロジャー・ペインさんも
「海を見れば必ずクジラはいる。
人間は、ほとんど海を見ていない。
見たとしても短時間だ。」
と言っています。
ロジャーは、パタゴニアでセミクジラの観察もしていました。
当時、漁師さん達の間では、
クジラが
いる事は、認識されていました。
観察の結果、(パタゴニアが)
繁殖の場所という事が明らかになりました。
最近では、多くの人が自然や地球の大切さを理解できる様に
なりました。
そして、地球の大半を占める海を意識することにより、
様々な事が
わかってきました。
一つに、クジラを理解したいという
気持ちによって、観察する人が増え、
目撃例も増えてきたと考えられます。
2021年は、796頭(観察127日間)、
2020年は448頭(観察106日間)。
今シーズンは、観察期間が20日間
増えたためか、348頭多く目撃されました。
観察範囲も高平から栗生まで延ばしました。
観察期間、観察範囲の延長に加え、
観察者の技術の向上も出現頭数の増加へ
繋がっている様に思います。
情報に惑わされず、自分が見たり、
聞いたり、感じたりと・・・
体験した事が真実へと繋がっていく。
ただただ観察し続ける事が、
クジラ達と私達の真実へと
導いてくれる。
私自身の信念を、信じ続けたいと
思っています。

6.鯨の個体識別
今シーズンは、約30頭の尾びれのIDが撮影できました。
沖縄(沖縄美ら島財団総合センター動物研究室)との照合によって
3個体のマッチが確認できました!
この事実により、彼らは確実に
屋久島を経由して、沖縄まで行ったことが
わかりました。
ただ、写真は今年のモノと
過去のモノがマッチしたわけで、
今シーズン彼らが行き来したかは、
わかりません。
掲載されている写真は、
屋久島で撮影されたモノのみと
なっております。

●屋久島2021年4月11日、
平内での個体Y32
(=沖縄での識別番号:R-1752)
平内海中温泉近くの湾に
入ってきた時に撮影。
2017年に沖縄の座間味島周辺や
本部町沖(伊江島周辺)で
確認している個体でした。

●屋久島2021年4月11日、
平内での個体Y33
(=沖縄での識別番号:R-1823)
2018年に沖縄の本部町沖
(伊江島周辺)
で確認されている個体でした。

●屋久島2021年4月14日、
原での個体Y35
(=沖縄での識別番号:R-1620)
親子2頭で、ゆっくりと泳いでいたクジラ、平内から原まで観測。
2016年に沖縄(本部町沖)で確認されている個体でした。
この発見は、私達の今後の励みとなりました。
これからの調査を継続する事により
様々な事が明らかになっていくと思います。
屋久島のクジラのIDは、
に掲載しています。

7.海の騒音について
「クジラに会いたい!写真を撮りたい!一緒に泳ぎたい!」
と、考える人間が多くなり、
ボートでクジラを追いかけているのを
岸から見かけるようになりました。
その結果クジラ達はボートから
遠ざかろうとしています。
もちろん気にしない個体もいますが、
多くの個体は方向転換をして岸から遠ざかっていきます。
一番心が痛んだのは、クジラの親子を
観測したときの事でした。
クジラの赤ちゃんは5~10分に一度しか
呼吸ができないため、よく水面に
出てきます。
あるボートが、それを知らずに追いかけて
いるのを見て涙がでてきました。
人間に例えると、親子が得体の知れない車に、ずっと追いかけられている
様なことです。
地球上でもっとも大きな哺乳類に
会うことの出来る屋久島の海。
その様な機会に恵まれ、近くで
写真を撮りたい、一緒に泳ぎたい、
クジラに会いたい、という気持ちも
理解できます。
私自身、初めて彼らと出会った時、
すぐにボートを手に入れたいと思いました。
ですが、この四年間の船との関係性をみて、岸からの観測にこだわって
いきたいと強く思いました。
それは、彼らの立場を理解する事により
気づいたことです。
海に住む彼らにとって、船による騒音が
かなりのストレスであり、負担となって
いることを知りました。
●ドキュメンタリー映画
の中では、現代の海の騒音公害について、
語られています。
ミッシェル・アンドレ生物音響学者によると、
「クジラ、イルカたちの交信チャンネル
に悪影響を及ぼすのは、人間が発する騒音、
彼らの情報交換を防ぐことは、
死を宣告するのと同じです。
過去50年間、ほとんどの海の騒音レベルは
10年ごとに倍増しています。
海運業や商業漁業、化石燃料の調査で
劇的に増大しています。
主に船舶です。
哺乳類を殺すだけではありません。
10年前に衝撃的な発見をしました。
クジラやイルカの大型哺乳類だけが
騒音の影響を受けてきたわけではなかったのです。
本当に驚きで信じられませんでした。」
●某アメリカのTV番組によると、
近年のクジラやイルカ達の歌声が、
昔と比べると高音域になってきている
とのことです。
その研究者がいうには船舶の騒音が
原因だと。
1950年にハワイ沖にいた米軍が、
あるノイズを発見しました。
最初、それが何の音かわからなかった
そうです。
それから20年後の1971年、
ザトウクジラの歌声だったと判明しました。
当時の彼らの歌声と今のとでは、
かなり違うといわれています。
現代では、船舶がさらに増え、
騒音も増加したため、クジラ達の声が
高くなっていることがわかったのです。
●『メリーランド大学の海洋生物学者である
Helen Bailey氏と彼女の研究チームは、
米国メリーランド州の沖で
バンドウクジラ(Tusiops truncatus)
の鳴き声を記録し、
その成果が、10月24日発行の
Biology Letterrsに掲載された。
彼女らは、鳴き声の特徴を分析し、
その変化を記録した。
彼女らは、大概船やボートが通過して、
周辺音響が大きくなった時に、イルカの
鳴き声の周波数が高く、
そして短くなることを発見した。
Bailey氏は、「それは、ちょうど
騒がしいバーにいて、相手の話が聞こえなくて何度か
聞き返したあと、
自分からできるだけ簡潔に返答しようと
するのと似ている。」と述べている。
「イルカは、船が出す騒音の音響に
対応するため、鳴き声を短くしている
のだ。」と。』
詳しいことは、こちらに書かれています。
これらの発見も、私達YWCが、岸からの
観察にこだわる理由となっています。
●カナダでは、
というアプローチでクジラを観察
”スロー・ホエールウォッチング”
しています。
『船を全速力で走らせてクジラを
見せるのではなく、最速でも常に
10ノット(時速18㎞)ほどの
速度に落としてツアーを
行うことにしたのです。
彼らは最初のシーズンに200回の
スロー・ホエールウォッチングを
実施しました。
その結果、こういった試みが、
二酸化炭素の排出量を減らすだけでなく
計1万5000ドル(当時約170万円)もの
経費削減へとつながることもわかりました。
彼らの実施する
スロー・ホエールウォッチングでは、
クジラに強引に接近するようなことは
せず、
クジラがボートに近づいてくるのを
待ちます。』
(Erich Hoyt(エリック・ホイト)
沖縄ザトウクジラ会議2018年)

海の騒音公害を理解し、それでもボート
からのクジラ観察を行いたい方々へ
お願いがあります。
彼らを理解し、彼らの気持ちに寄り添い
ながら接してあげて下さい。
「もし、クジラだったら・・・」と、
彼らの立場に立って考えて下さい。
彼らの会話を妨害したり、
不快感を与えたりと、生活環境を
脅かさないであげて下さい。
彼らが存在する海は、地球の自然が
豊かな証なのです。
宜しくお願い致します。
そこで、屋久島の海において、
船によるホエールウォッチングを
行う方々のために、
ある提案をさせて頂こうと思います。
1.船のスピードは10ノット
(時速18㎞)
2.船はクジラの300メートル手前からは
減速をはじめ、彼らとの距離を100メートルは
保つ様にする。
クジラとの距離が、100メートル
になった時点で、エンジンを停止、
観察を始める。
(100メートル=大型バス10台分)
3.子供を連れているクジラに気付いた
場合は彼らを追いかけない。
(子供は、5~10分しか呼吸が出来ず
泳ぐのが大変です。
お母さんクジラは、子育てで
疲れているため、余計なストレスを
与えない。)
4.クジラの進行方向をちゃんと認識
して、進路を妨げない。
5.船に接近するクジラに気付いた場合
は、エンジンを停止する。
6.スロー・ホエールウォッチングのオススメ。
強引に接近するのではなく、
クジラがボートに近づくのを
待つ。
彼らのペースに合わせて、行動する。
海には、クジラ達以外にも多くの
生物が住んでいます。
どうぞよろしくお願い致します。
クジラ達は、冬から春にかけて、
屋久島へとやってきます。
彼らの目的は、繫殖・子育て・休憩だと
考えられます。
人間が、彼らの生活環境に負担を
与えない様、共存できる方法を
探していきたいと思っています。
こちらの記事は、クジラや他の動物達の
知性について書かれたものです。
とても興味深いので、読んでみて下さい。
彼らが人間同様に知的な生命体
であることを理解するでしょう。

8.BEST MOVIE

この日、数えられないほどの群れが
平内へやってきた。
平内には、26頭がいて、中間方面から
2頭が来て合流。
その潮吹きの声は今でも忘れられない。
45分かけて尾之間方面へと
向かった。

早朝、朝陽に照らされた2頭。
こちらへと向かってきた。

北西の風が強く・・・1頭の鯨が
岸の近くで休んでいた。

夕方、トカラ方面からやってきた親子。
2頭でジャンプを見せてくれた。

平内にて、ヒートラン!?

尾之間にてジャンプ&ヘッドスラップ。

小島にてペックスラップ、そして出発!

2頭尾之間のクジラ。
このクジラが、実は沖縄でも
数年前、目撃されていた。
彼らは、平内から原まで、
お昼から夕方まで一緒にいた。

9.2022年に向けて
来シーズンも精力的にクジラ達を
観察する予定です。
私達の観察方法は、
岸からの目視(双眼鏡)、カメラ、
ドローンによる撮影、
そしてカヤックによる観測
(歌声の録音)。
これらの観察方法により、彼らの
リラックスした自然な状態
(出産・子育て・繫殖・捕食行動など)
に
接することができます。
海は地球上の全生命体にとって、
命の源です。
クジラを観察することによって、
海の事が理解できます。
彼らとの共存方法を探ることが、
私達の明るい未来へのヒントになるでしょう。

10.研究所からのお願い
継続的な研究を続けるために寄付を
募っています。
詳しくは、寄付のページをご覧下さい。
どうぞよろしくお願い致します。
いつまでも、クジラ達が平和に暮らせる
美しい海を保つことができます様に。
すべてに感謝★
ありがとうございます。





